古森(ふるもり)の図書室

森の奥に居場所を探して...

手織りの伊予絣の思い出

冬の足音が聴こえてくるような冷え込みを感じると、

つい昔のことが思い出される。

 

伊予の国、今では松山市

伊予絣会館 という手織りの絣を織る工程を見学出来るところがあった。

(多分、今現在も存在していると思う…)

 

もう三十年以上も前のことなのに、

その頃から、手織りの絣の反物は、

一反が 2万円以上?!

…まだ若い頃で貯金も無く、子育てで必死だった私には、

とても手の届かない品だなぁ、、と思いつつ、

でも、その手触りの柔らかさ、布の動きの優しさに触れでみると、

いつか…欲しいな。

それにしても、こんな手触りの優しい布を織れるなんて。

 

機械の発明は便利になったけれど、

手織りの布しか無かった昔の暮らしの方が…

 

実は、(情緒的には)豊かな暮らしの中に居たのでは?

 

………なぁんて、想いも

ふと心の中に浮かんできてしまう。

 

地元の人の話では、

 

「子供の頃は、近所でも織り機のあることが普通で、よく機織りの音が聴こえてきたものだった。」

 

………

その時、私が手に取って観た反物は、

藍色の地に白い絣の模様の、木綿の反物なのだけど、

 

機械で織られた布よりも、

ずっと手触りの風合いが優しく、

縦糸と緯糸の動きに《 遊び 》のゆとりがあり、

きっと着心地も

機械で織られた布地よりも、着ていて動きやすかったのでは?

 

。。。

 

そんなこんなを感じながら、

家に帰れば、お正月を控えて

機械で織られたウール地の反物で 単の着物を手縫いした思い出。

 

。。。

 

私には、手織りの布を織ることも出来ないけど、

 

やっぱり、手仕事は 色々な方面で 残しておくべきだ!

 

なんて意気込んで。

 

編みたいモードが ムクムクと湧いてくる、

この秋の深まる季節なのだった。