古森(ふるもり)の図書室

森の奥に居場所を探して...

焔を眺めながら・・・

ついこの間までの暑さが嘘の様に、冷え込む朝となった。
 
外の気温を観たら・・12度。(昨日の朝は・・10度だった!)
 
それまで昼間、まだ活躍していた扇風機も そのままに
春と同じ定位置に、灯油ストーブを出した。
 
この冬、初めてのストーブ。
最初の、ちょっと灯油の匂いがあがってくるのすら、なんだか懐かしい。
これから大好きな冬に向かうのだ・・・
 
薪ストーブや囲炉裏や暖炉のように、揺らぐ炎を観るわけには いかないが
それでも、やっぱり、燃えるところが見えるだけでも暖かい感じがして
やっぱり、他の暖房器具よりも
ストーブが好きなのだった。
 
・・・・・・
 
若い頃、勤めていた職場の旅行の時、
お酒の飲めない私は宴会が苦手で・・・ふっと大広間から抜け出して、
そのホテルのロビーに出た。
 
そこで・・・壁に しつらえた、大きな暖炉を見つけた。
力強く、燃え盛る焔に 吸い寄せられるように
その暖炉の前の長椅子に 腰かけた。
 
そこには・・やっぱり静かな場を好む お仲間が・・確か、2~3人、
長椅子に腰かけていたと思う。
 
他所の支店の人たちかな?
名前も知らぬ初対面の者同士だけど、なんとなくお互いの気持ちが解る気がして
そこは居心地が良かった。
 
「この薪の焚きつけに、ね、使用済みの割り箸を使うんですよ。」
 
暖炉の中の焔を眺めている私達に
そう、教えてくださったのは・・ホテルの従業員だろうか。
 
お客である私達も、そのホテルの方も、皆 初対面の方ばかり。
それでも、そこには
なんとなく 和んだ空気が あった。
 
あの時 以来、
そうだ。・・・私は ずっと暖炉に 憧れているのだ。