古森(ふるもり)の図書室

森の奥に居場所を探して...

時と場所を超えて

何年ぶりかで入った、その古本屋で
思わぬ掘り出し物を見つけた。

漫画の4巻セット。
どうやら、イギリスの不思議に絡む内容らしい?
と、思わず手に取り、買って帰った。

読んでみると
あはは、、、
イギリスの妖精と、日本の七福神とが
面白い発想で描かれている。
また、その解釈の仕方が個性的だけど、
なるほど!  
いや、案外、的を得た解釈かも?・・・と、
クスッと笑ってしまう キャラクターが いっぱい。

愉しませてもらえた。

そして
なんだか じんわり心に沁み入る部分は・・・ああ、そうか。


イギリス。ロンドン郊外・極東通り 

祖父の遺産である家を守ることになった主人公が
夢を見ると、若い頃の祖父の世界に居たり、、
その世界の中で、祖父の体験したこと、また感じた事などを
自分も同じように体感していくうちに
段々、
 日本に夢中になっていく祖父の想いを理解していく。。。

イギリス人の祖父が若い頃、日本に来て買い求めた七福神の置物。
その当時・・・明治の初期?の浅草?  の様子。

そして
生きているように、主人公に語りかける七福神たち。
それぞれ、なんというか、、、とても個性的なのだが(笑)

最初は 戸惑うばかりだった主人公だけど、
いつの間にか、七福神たちが居ないと寂しく感じるようになっていた。

日本の出雲に、60年ぶりの会合に出かけた神様たち、
主人公は行ったことの無い、遠い極東の地であるだけに
イギリスに戻ってくるか心配していた主人公。

しかし、
神様たちには、時間や場所的な遠さは関係なかった。

(だから、
  「夢」という形で
    人間に過去の時代や他者の体験などを見させることが可能なのかな。)


。。。。。

そう、それ、だよね。

時間(時代? 世代?)と距離を超越して、
つながり合う何かが・・・ある。


そんな想いを感じた、思い出させてもらえた。


・・・と、私は感じたのだが
まぁ、読む人によって それぞれ感じ方は違うだろう。
けど、こういう感性の持ち主に遭遇すると嬉しくなる私であった。





作品名は・・・「東のはて通り異聞」全4巻  (秋田書店)
作者   ・・・・吉川うたた